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映画『グレース・オブ・モナコ』の感想

 

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タイトル

原題は『Grace of Monaco』。モナコ公妃。サブタイトルはグレースのスピーチを「切り札」と表現したと考えられる。

 

ストーリー

オスカー女優グレース・ケリーニコール・キッドマン)が絶大な人気を誇る中、モナコ公妃となった後の6年後を描いた本作。史実とは異なるストーリーとも言われるが、その点には言及しない。モナコ王国存続の危機が政治的側面から描かれている。グレースの夫、レーニエ3世(ティム・ロス)はアメリカ流に誰の前でも自分の意見をしっかり言うグレースに文句を言う。礼儀に厳しいモナコ皇室の雰囲気になじめずにいるグレースにハリウッドの名監督ヒッチコックから映画の誘いを受ける。その誘いを承諾することに前向きなグレース。しかし、国家滅亡の危機に陥るモナコ王国と愛する家族を守るために誘いを断る。グレースはスパイを探しつつ、ヨーロッパ各国が集う舞踏会でモナコ王国を救うため大勝負に出る。

 

印象に残ったシーン

★グレース役ニコール・キッドマンのアップが多い

初めから最後までニコール・キッドマンのアップが多い。レッドカーペットなどこれまでの数々の出演映画においても息をのむような美しさのニコール。しかし、本作の最初のシーンでは家庭的なモナコ公妃を描いているからかメイクも薄く、自然な印象のニコール。ハリウッドで指折りの美女も年には勝てないのか…と少しがっかりしてしまう。とはいえ、モナコ公妃としてのマナーを身に付け、皇室の人間として生きていくことに決めたグレースは衣装やメイクを含めて美しさに磨きがかかる。映画が終わるころには、やはり、さすが!ニコール・キッドマン!と誰もが思うだろう。

★グレースの衣装

カルティエ、ディオール、シャネル、エルメスなど数々の名だたるブランドが衣装やジュエリーを提供。本作でグレースは様々な衣装を身に付けるが、それぞれのシーンの時間が短いため、ファッションチェックをする時間はあまりない。後からに気になってしまう。

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★レーニエ3世役のティム・ロス

眼鏡をかけているため、初めはティム・ロスと気付かなかった。テレビシリーズ『Lie to me』で精神行動分析学者カル・ライトマンを演じていたティム・ロス。不機嫌で偉そうな演技は共通。ニコールの身長はかなり高いこともあり、二人が並ぶとつい身長差が気になってしまう。

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★グレースのスピーチ

予告編でグレースのスピーチは芝居のようにうたっているが、グレースの本心からくる言葉を誰もが認める彼女の表現力にのせることにより各国の首脳は心を打たれたのではないか。グレースのスピーチは決して芝居ではない。このスピーチのシーンにかけるニコールの想いやプレッシャーもただならぬものであったらしい。スピーチの内容は論理的でも説得的でもない。グレースの強い思いと家族への愛、そしてその表現力からスピーチの内容にも共感してしまうのだろう。

 

まとめ

海が美しいモナコの風景、豪華な宮殿、衣装を見ると皇室に嫁ぐと何不自由なく一生しあわせに暮らすことができると思ってしまう。しかし、現実はそう甘くない。皇室はマナーに厳しく、グレースはアメリカ人であるから公用語のフランス語のレッスンも受けなければならない。アメリカ人の様に自分の意見をはっきり言うこともはばかられる。国民の支持を得ることも難しい。それに加え、国家として経済の危機に陥れば夢のような皇室の生活とは正反対である。皇室という特別な世界とひとりの女性グレース・ケリーの強さを描いた本作。