エイガールの映画ブログ

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映画『ジャージー・ボーイズ』の感想

 

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タイトル

原題は『Jersey Boys』。実際のバンド名はザ・フォーシーズンズ。ニュージャージー州出身のメンバーのバンド結成から終焉までを描いているため、出身地に着目している。育ちが良くないことも意味している。長年ブロードウェイでミュージカルとして愛されていた作品の映画化。

 

ストーリー

ニュージャージー州の貧しい街で生まれ育ったイタリア系のフランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)はジップ・デカルロ(クリストファー・ウォーケン)にその美声を認められる。ヴァリはニック・マッシ(マイケル・ロメンダ)、トミー・デヴィート(ビンセント・ピアッツァ)とバンドを組み、バーで演奏をする。バンドのメンバーは素行が悪く、刑務所に出入りするためメンバーは流動的である。そんな中、作詞作曲の優れた才能を持つボビー・ゴーディオ(エリック・ハーケン)が楽曲の提供のオファーをかける。リーダー格のトミーは紳士的なボビーが気に入らずメンバー入りを拒もうとするが、曲のセッションをしたところ、波長が合ったためボブはメンバー入りする。プロデューサーのボブ・クルー(マイク・ドイル)が彼らの才能を見出し、やっとデビューする。デビュー作は『シェリー』。曲が決定する直前に差替えられ、大ヒット。スーツに髪をなでつけた4人はテレビでも大人気となる。曲のリズムに合わせたダンスも魅力的。次々とヒット作を生み出し、一躍スターとなるが、ツアーで場所を転々とするバンド生活にヴァリの私生活は上手くいかない。トミーは借金の問題をバンドに持ち込む。ボビーはヴァリと2人で活動することを提案する。ニックはトミーの自由奔放ぶりに不満がつのる。様々な問題が発生し、次第にメンバーの間に軋轢が生まれる。

 

印象に残ったシーンと台詞

フランキー・ヴァリ役ジョン・ロイド・ヤングの美しいファルセット

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フランキーの独特の歌い方にはじめは慣れないが、聴いているうちに自然と引き込まれてしまう。この独特の歌声を演じているのはジョン・ロイド・ヤング。ブロードウェイで活躍し、トニー賞など数々の賞を受賞している。その歌声と表現力は貫禄。特に”Can’t Take My Eyes Off You”の哀しみと愛情に満ちた表現力に映画の中の観客だけでなく映画の鑑賞者をも魅了する。

★”Big Girls Don’t Cry”の誕生秘話?

作曲に悩むボビーの横で映画を見ながらプロデューサーのボブが放った言葉。「大人の女は泣かないわよ」。はっとするボビーの顔が出た後すぐにバンドのメンバーが”Big Girls Don’t Cry”を歌うシーンは面白い。さすが天才作曲家。

★登場人物が語りかけてくる映画

映画のナレーションはないが、トミーやニックなど登場人物がナレーションとして語りかけてくる。映画にはなかなかない面白いスタイル。

★ストンプというダンス

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“Walk Like A Man” で有名なダンスはストンプ(正確なステップを踏みながらリズムを刻むダンス)という。メンバー4人が揃えてストンプする姿は見ていた楽しい。エンターテイニング。

★名曲”Can’t Take My Eyes Off You”の背景

言わずとしれた名曲。愛の歌であるため、娘を亡くして落ち込んでいたヴァリは自分に歌う資格がないという。しかし、周りの勧めと音楽への熱意からヴァリは歌うことを決意する。そのステージは圧巻。

 

まとめ

巨匠クリント・イーストウッド監督の本作。まるでミュージカルを鑑賞している気分になる。数々の名曲とともに制作背景がつづられる。メンバーの心境を踏まえた上で曲を聴くと印象が異なる。トミー役のビンセント・ピアッツァは俳優で歌は初めて。表舞台を見ているだけではわからないザ・フォーシーズンズの魅力がつまった本作。